未知の顧客欲求についての私見を述べます

わが社のあるお客様の話です。そのお客様は我が社の古いOB顧客の紹介で、主にキッチンや浴室などのリフォームを希望されていました。しかしリフォーム会社3社からの見積もりを比べ、どこが安いかを考えるお客様と懇談を続ける中でわかったことは、実はいつもバスで通っている娘の家の近所に引っ越したいという別の欲求の存在でした。

生活の不便の解消の為にリフォームしたいという顕れた「顧客ニーズ」の奥には、娘家族と近くに住まいたいというさらに根本的な「未知の顧客欲求」が存在していたのでした。ただ本人が【不動産の購入-引っ越し-現在の住まいの売却もしくは賃貸】などの情報の選択肢を持っていなかっただけでした。

その後、移住に関わるあらゆる情報を提供した結果、無事に娘家族の近くに居住することができました。

この例のようにビジネスに於いては、顧客が心の中で漠然と思っているてもいまだ具体的な行動モデルとして認識できていない「未知の顧客欲求」に焦点を当てる必要があると考えます。

野村総合研究所による2012年「生活者1万人アンケート調査」では、「日本に於いては、リーマンショックや東日本大震災を契機に、人々がサステイナブルな暮らしへの憧れやエシカル消費への志向が強くなっており、さらに地域への貢献や家族や地域社会など、身近な人との絆を求める気持ちも強まっており、そしてこの傾向は今後も強まる」と報告されています。この調査からは、人々の中で自分らしい生き方への希求や地域社会への繋がりを求めている意識が高まっていることが伺えます。

このよう調査やお客様との対話を通じて「未知の顧客欲求」の仮説を立て行動することは

現代のビジネスに於いては実に有意義であると考えます

株式会社ナカムラ建工
代表取締役 中村靖雄
日本工業大学専門職大学院
技術経営(MOT)修士